RSD-SUNMAX-UVZHでゴム印作成

 株式会社リンシュンドウのスタッフの岡本です。 今回はRSD-SUNMAX-UVZHを使用して、ゴム印が作成できるか確認します。

一口にゴムと言ってもその組成の違いにより加工結果が大きく異なります。
ゴム印作成によく使用されるCO2レーザー加工機でゴム印を作成する場合、「レーザー加工用」のゴム板を使用する必要があり、それ以外のゴムを使用すると適切な加工ができません。
また、「レーザー加工用」のゴム板であっても天然ゴムやシリコンゴムなどの種類があり、メーカーや品名などによって、彫り方や設定が異なり、仕上がりも違ってきます。
もしかしたら、「レーザー加工用」ゴム板とは異なったゴム板がRSD-SUNMAX-UVZHでの加工に適しているかもしれませんが、今回は「レーザー加工用」ゴム板を使用して検証します。

天然ゴム

天然ゴムは困難です。
彫り進められる程度以上のパワーが強い設定で行うと、加工面が焦げて黒くなります。強くレーザーが当たりすぎると、ゴムが炭化し、粘着物質が付着して、まともに加工できなくなります。

焦げない程度の設定(高速)で加工を行うと、焦げは改善されますが、やはり薄く黒ずみます。そしてゴム印として適切な深さまで彫り進めようとすると、繰り返し回数を非常に多くする必要があり、かなり時間がかかります。
天然ゴムでゴム印を作成するのは現実的ではありません。

※ 彫刻面が黒く変色し、ざらついた感じになることを許容できる(ゴム印として押印可能)ならば、加工可能です。下記のシリコンゴムよりも加工時間は短く(繰り返し回数減)できます。

シリコンゴム(少臭・無臭ゴム)

シリコンゴムの場合は、ゴム印の作成が可能です。ただしCO2レーザー加工機で作成する場合と比較して、かなり加工時間が長くなります。

加工は、使用可能な3つのハッチングを使用して、彫り進めるに従い、0.1mm程度ずつ「輪郭のオフセット」を付加して、ショルダーを付けます。
シリコンゴムは、種類により固さが異なるので、使用するゴム板に合わせて繰返し回数を決める必要があります。

下図のゴム印のサイズは25 x 3 mm です。

加工設定は
ハッチング1
  ・線の間隔 : 0.01
   ・輪郭のオフセット : 0
  ・繰り返し : 5
  ・速度 : 100

ハッチング2
  ・線の間隔 : 0.03
  ・輪郭のオフセット : 0.1
  ・繰り返し : 10
  ・速度 : 50

ハッチング3
  ・線の間隔 : 0.03
   ・輪郭のオフセット : 0.2
  ・繰り返し : 30
  ・速度 : 50

加工終了時
水で洗い流した後
深さも十分あり、印面もきれいに仕上がっています

注意事項
・彫り進めるにしたがって、焦点距離を微調整する必要があります。適切に焦点距離を調整しないと、深く彫れません。

・彫り続けていると、彫刻面にゴムの削りカスがたまります。削りカスがあるとレーザー光が遮られ、適切に彫り進むことができませんので、適宜エアーダスター・スプレーなどを使用して、削りカスを吹き飛ばしてください。



・エアー吹きつけを行う際は、ゴム板自体が小さい場合は風圧により吹き飛ばされてしまうので、両面テープ等でゴム板を固定してください。