FL-30/50「回転加工機機能の特記事項」

株式会社リンシュンドウ スタッフの岡本です。
ファイバレーザーFL-30/50において、「特殊加工」の「回転加工機」機能を使用して、
円筒形の外周に文字列・図形をマーキングする時の特記事項を記載します。
1. 分割が発生しない円筒形加工素材の外周へのマーキング
(1)前提条件
前提となる諸条件は以下のとおりです。
(a)円筒形加工素材
・直径70mmの円筒形
(b)オブジェクト
・長さ40mm、高さ5mmの文字列“TEXT00012018”
・上記文字列を時計回りに90度回転させる
(c)回転加工機ダイアログでの基本設定情報
・移動距離「Y」の初期値=0mm
・分割サイズ=50mm
(2)マーキング実施
(a)「反転」無し
・マーキング開始位置(時計回りに特定位置)に回転移動(今回は5mm)
・文字列“TEXT00012018”を
“1000”→“T”→“X”→“T”→“2018” →“E” の順にマーキング
(b)「反転」有り
・マーキング開始位置(反時計回りに特定位置)に回転移動(今回は5mm)
・文字列“TEXT00012018”を
“1000”→“T”→“X”→“T”→“2018” →“E” の順でマーキング
2.分割が発生する円筒形加工素材の外周へのマーキング
(1)前提条件
前提となる諸条件は、オブジェクト長さを80mmに変更するのみで、他は項番1.と
同じです。
(2)マーキング実施
(a)「反転」無し
・マーキング開始位置(時計回りに特定位置)に回転移動(今回は-14.981mm)
・マーキング結果: )0012018     TEXT(
↑“0”の右半分        ↑“0”の左半分
①“001”+“0”右半分を右から左にマーキング
②“2018”を左から右にマーキング
③右にかなり移動(“2018”と“TEXT”間に空白ができる)
④“TEXT”+“0”左半分を左から右にマーキング
(b)「反転」有り
・マーキング開始位置(反時計回りに特定位置)に回転移動(今回は-14.981mm)
・マーキング結果:TEXT00012018
↑“0”半分ずつマーキング
①“001”+“0”右半分を右から左にマーキング
②“2018”を左から右にマーキング
③“TEXT“の先頭に移動
④“TEXT”+“0”左半分を左から右にマーキング
※上記で右・左とは、文字列に正対したときの方向を示します。
3. まとめ
(1)回転の移動距離「Y」は、設定されている分割サイズとオブジェクトのサイズによって
決まり、回転する方向は、「反転」有無によって決まる。
・ オブジェクトサイズが分割サイズよりも短い場合は、
(分割サイズーオブジェクトサイズ)/2が移動距離となる。
今回分割サイズが50mm、オブジェクトサイズが40mmなので、
(50-40)/2=5mmとなる。
・ オブジェクトサイズが分割サイズよりも長い場合も基本的に上記計算で
求められる値となるが、分割ロジックにより、少し短くなる。
分割サイズが50mm、オブジェクトサイズが80mmの場合、
(50-80)/2≒-14.981mmとなる。
(2)文字列のマーキング順は、回転加工機の機能ロジックによるもので、
文字の並びや「反転」有無には関係しない。
(3)図形に関しても今回実施の文字列と同様となる。
(4)マーキング結果(例)
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※実際は、90度時計回りに回転したイメージで
下方が回転加工機側(三つ爪側)