風景写真 その1

株式会社リンシュンドウのスタッフの岡本です。
しばらくの間、ブログの更新を中断してましたが、再開します。
今回は、難易度がかなり高い、森林の風景写真の彫刻を行います。
画像データは下の山の写真を使用します。
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人物画像とは異なり、風景写真は輪郭が曖昧だったり、色の変化に乏しかったりと、写真を網化してレーザー加工すると、どのような内容の画像なのかも判別できない状態になる場合があります。
うまくレーザー加工ができない写真は、どのように加工設定を調整しても最低限の加工品質にすら達することができず、「できない」という結論になってします。
そのため、上図のような写真は、いかに階調表現をレーザー加工に反映させるか、ということがテーマになります。
まず白⇔黒のグラデーションデータを作成して、Adobe Photoshop を使用して網化し、実際に加工してみます。網化のパラメータをいろいろと変化させ、階調表現が最も良くでる設定を見つけます。
木材を使用すると、焦げの濃淡で階調がわかりやすいです。

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グラデーションパターンを加工して仕上がりを確認すると、レーザー加工で表現できる色の範囲は全域ではないことがわかります。白⇔黒の変化の一部の範囲しか、階調表現できません。
傾向として、網化の「線数」を減らすほど、階調表現が可能領域が広がり、増やすほど狭くなります。 しかし、線数の設定はレーザー加工の細かさとほぼ同義なので、線数を減らせば加工結果が粗くなり、加工品質が低下します。線数と加工結果のバランスが重要になってきます。
また、網化の際のハーフトーンスクリーンの形状によっても、階調表現が可能な範囲が変わってきます。
これら複数の要素を考慮して、参考資料として、階調表現が最大化になるような画像データ処理を行うための手順を公開しました。

参考資料 風景写真の加工」を参照して下さい。

「参考資料 風景写真の加工」に従ってデータを作成すると、設定出しの手間を軽減して、階調を表現できるようになります。

結果写真
・結果写真は無加工です。
・写真をクリックすると原寸写真が開きます。
・木板のため木目や傷などの影響があり、色が場所によって違っています。

① 従来の網化方法
従来の網化の方法で何度も設定出しを繰り返して、最も写真に近く加工できるようになったものです。
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② 「参考資料 風景写真の加工」の手順
「参考資料 風景写真の加工」の手順に従って加工したものです。設定出しは大まかな加工設定のみ行いました。
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写真を見る限り、「参考資料 風景写真の加工」の手順で行った場合の方が、手間が少なく、また表現力も増しています。Photoshop CS5 以降のバージョンが必須ですが、かなりの効果があります。


風景写真 その2」に続きます