株式会社リンシュンドウのスタッフの岡本です。 今回は、チタン印鑑彫刻を.aiデータと.bmpデータを用意し、ファイバーレーザー彫刻機 RSD-SUNMAX-FL30にて加工を行い、結果がどの程度異なるか検証してみました。また、側面のマーキング加工設定の検証も行いました。
データの違いによる彫刻加工の検証
加工用のデータとして.aiデータ(ベクターデータ)と、.bmpデータ(ペイント系データ)を用意し、検証しました。
.aiデータ(ベクターデータ)加工設定値
レイヤー1
出力/100
回数/150
速度/250
周波数/35
レイヤー2
出力/100
回数/10
速度/300
周波数/40
φ15mm個人実印 加工時間 44分58秒
φ16.5mm法人代表印 加工時間 58分45秒
チタン印鑑の彫刻については、ベクターデータでの加工を推奨していますが、BMPデータのようなペイント系の画像データでも加工が可能です。
画像設定/モノクロ2階調 ・ 画像解像度/600dpi
.bmpデータ(ペイント系データ)加工設定値
出力/100
回数/150
速度/200
周波数/35
φ15mm個人実印 加工時間 1時間7分5秒
φ16.5mm法人代表印 加工時間 1時間26分34秒
ビットマップのデータの場合、余白部分も加工の動作があるため、加工時間はアウトラインデータよりも長くなります。ビットマップデータを利用する際は、1000dpi以上の高解像度データを推奨していますが、600dpiのデータでも加工仕上がりは良好でした。データの解像度の違いによる加工時間の変動はありません。仕上がりの印象としては、ビットマップデータの方が、やや太く仕上がる(彫る部分が弱い)印象を受けます。
側面へのマーキング加工
回転加工機を使用して、側面へのマーキング加工を行いました。 チタン印材によって適正な設定値は異なりますが、今回の加工設定は以下の通りです。
マーキング加工の設定値
ハッチング加工
出力/20
回数/1
速度/300
周波数/60
回転加工機の設定(特殊加工メニュー)
連続OFF 反転はON 移動量5.00 分割サイズ1
φ15mm テキストデータ サイズ45×4.2mm 加工時間 28秒
今回使用したチタン印材で加工の出力を30にした場合では、マーキング部分が黄色がかった変色が見られ、マーキングが目立たなくなりました。印材の状態によって設定値は異なりますので、テスト加工は必要です。
下図は 文字のハッチング加工(出力/20)と同じ設定値で加工した、パターンデータのマーキングです。
φ15mm パターンAiデータ サイズ45×4.2mm 加工時間 2分31秒
円周に合わせてデータを用意すると、よりきれいに加工が行なえます。